代表者
地域に根ざした持続可能な公共の実現
現代社会における公共的意思決定は、従来の多数決民主主義や専門家主導型政策だけでは十分に機能しなくなっています。多数決民主主義は形式的な正当性を確保できる一方で、少数意見が排除されやすく、複雑な社会課題を単純な賛否に還元してしまう傾向がみられます。
こうした状況の中で注目されているのが、多主体型公共性という新たな公共のあり方です。これは国家のみが公共を担うのではなく、地方自治体、企業、市民、NPO、大学など多様な主体が関与し、役割を分担しながら公共課題に取り組む構造です。特に地方自治体は、地域課題に最も近い存在として、これらの主体をつなぎ、調整する中核的な役割を担うと考えられます。
この多主体型公共性を具体化するプロセスが共創です。共創とは、行政が政策を一方的に決定・提供するのではなく、市民を課題解決の担い手として位置づけ、企画段階から関与を促す取り組みです。市民は受益者としてではなく当事者として参加することで、地域の実情や多様な価値観が政策に反映されやすくなります。地方自治体は、その場を制度的に保障し、市民参加を継続的な仕組みとして整える役割を果たします。
さらに、こうした共創を持続させるためには、プラットフォームの形成が重要となります。地方自治体が中心となって、多様な主体が情報を共有し、協働できる基盤を整備することで、継続的な地域の力として蓄積されます。今後の公共性は、国家主導の一方向的な統治ではなく、地方自治体と市民が協働し続けるプロセスとして再構築されるべきです。その積み重ねこそが、地域に根ざした持続可能な公共を実現すると考えます。
当研究所は、多様なすべての人々の参画による誰も取り残さない社会の実現のために、ナレッジ・マネジメント(知識創造)により地域力を共創して地域コミュニティの開発に貢献することを目指しています。
株式会社ナレッジ・マネジメント・ケア研究所
代表取締役 熊谷 芳浩