代表者ご挨拶

全世代で支え合い人口減少の流れを変える

今日の社会保障制度において最大の論点は、「少子化・人口減少の流れを変える」であり、社会政策が目指す地域の将来像は「全世代で支え合い」、将来世代も含めて希望が持てる地域社会をつくっていくことだと考えます。人口減少と核家族が急速に進む多くの現代社会において、地域社会における支え合い機能が低下しており、「孤育て」など社会的孤立・孤独の問題が顕在化しています。地域社会におけるつながりの弱体化を防ぎ、住民同士が助け合う「互助」の機能を強化することが重要であり、若年世代を地域に巻き込み「互助」を支えるコミュニティ機能の強化に向けた取組が求められています。

地域包括ケアシステムは、地域共生社会の実現に向けた中核的な基盤となり得るものであり、今後は制度・分野の枠や「支える側」「支えられる側」という関係を超えて、地域住民や多様な主体による支え合いの取組を促進する役割が期待されています。誰もが「つながり、居場所、役割」の持てる社会的包摂の仕組みと市民意識の醸成が求められています。誰もが住み慣れた場所で、その人らしい生活を継続していくためには、「自助・互助・共助・公助」を基本とした地域共生社会の推進が不可欠であり、世代間の結束を強め住民主体の「地域力」を強化する必要があります。

当研究所は、多様なすべての人々が生きがいと自己肯定感を持つことができ、誰も取り残さない社会の実現のために、ナレッジ・マネジメント(知識創造)により地域力を共創して地域コミュニティの開発に貢献することを目指しています。地域課題の分析に基づく解決策の提案とその社会実装を図ることで持続可能な未来社会を設計しつつ、地域のあり方(ビジョン)を明確にして市民と関係者の「共感」に基づく包摂的イノベーションを先駆けていきます。

株式会社ナレッジ・マネジメント・ケア研究所
代表取締役 熊谷 芳浩